第33章 海に行こう
夏休みに海へ行こうという約束を果たすため全中直前にも関わらず練習が休みの今日、みんなで海にやってきた
到着し着替えをしようと更衣室にて荷物を広げると、まさかと思っていたが問題が発生する
『あー…やっちゃった…』
「どうしたの?」
『ワンピースの部分だけ、忘れちゃったっぽい』
「えぇ!?でも水着がないってわけじゃないんだよね?」
『うん』
「ワンピースの部分無しで行けば良いんじゃない?」
『…び、ビキニで行けと』
「私もだから大丈夫!一緒に行こ?」
『…あー…う、うん。ちょっと待ってて』
確かに購入した水着はビキニにワンピースとスカートを上から着用出来るという色んなパターンで着方を楽しめるというものだった
確かに水着がないわけではない。せっかく予定を合わせてここまで来たんだから遊ばない方が勿体ない気もする
家出る前に確認したときに焦って置いてきちゃったのかもと、部屋に置きっぱなしであろうそれを思い出して溜め息を吐く
『さつき、後ろのリボン結ぶの頼んで良いかな』
「任せて!」
『ありがとう』
「…よし!できた!行こう名前ちゃん!」
『あー…うん。行こうかー…』
まあ別にスタイルも良くなったんだ。良いかと自分に言い聞かせて荷物を持ち外に出る
既に着替え終わった彼らが待っており、さつきは先に駆け出してしまう
「あ!テツ君!」
『待ってよ置いてかないでよ!…も~』
「名前ちん、どうしたの?」
『紫原…海でも相変わらずお菓子は食べるんだね』
「まぁね~」
『…その着てるパーカー貸して』
「ん~?いいけど、なんでー?」
『今度お菓子あげるから』
「ほんと〜?よくわかんないけど貸すね~」
『ありがと』
紫原が着ていたパーカーを奪い取りその場にしゃがみこむ
身長が高い彼らはちょうどいい日陰となり、暑さが少し和らいだ気がした