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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第32章 巻き込まれた夏祭り





「…見当たりませんね」

『相手の立場になって、考えれば良いんだよ』

「…?」

『できるだけ穏便にすませ、念のために顔を隠しておきたい。テツヤなら、何を使う?』

「!お面ですか」

『この状況なら、ばれる可能性少ないもんね』


まあヒントくらいはいいだろう。目線を左右に動かし、夜店の中からお面屋さんを探しながら歩く

そうしている内にお面を大量に購入している男を発見した


『…テツヤ』

「はい。手の甲からして、間違えないでしょう」

『…あんなところまでよく見えるね』

「たまたまです」

『…着いてく?』

「はい…!移動するみたいです。行きましょう」

『おし、行こうか』


あたしとテツヤに気づかずどんどん林の道へと進んでいく男と距離をとりつつ息を潜めて追いかける

しばらくすると茂みの奥から男に声がかかり、彼らは木の下でしゃがみこみ円を作った


『…これじゃ、話が聞けないね』

「そうですね…あそこの木に隠れましょう」

『了解』


少し近づいてみると会話がよく聞こえてくる「せーのっ!」と言う掛け声と共に男達は立ち上がった

その瞬間、いかつい男達の顔が可愛らしい瞳のアニメキャラクターによって隠されていた


「なんでこんな絵柄選ぶんだよ!」

「だって、こんなんしか売ってなかったんだよ!」

「だーはっはっはっはっ!やべー!体ごついのに、顔がアニメって、キモイ!」

「おめーだってキモいぞ!」

「ばかっ、静かにしろ!」

「!!」

「…聞かれたか?」


あたし達に気づいてない様子に、小さく安堵の溜め息を吐く

しばらく様子を見ているとかさりかさりと落ち葉を踏む音がしてきた

まさかと思いそっちの方向を見てみるとさつきがくまのぬいぐふちを抱いて歩いてきている


『、さつき』

「…名前さんは先に歩いてて下さい」


バッと男たちにくまを取られているさつきがいて、そこにテツヤが近づいていった

あたしは少し先の場所に行き、テツヤ達を誘導しようと思う





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