第32章 巻き込まれた夏祭り
「!」
『さつき!』
紙コップから逃そうとバッとさつきを押した瞬間、テツヤはいつものパスのように紙コップを打った
無事さつきには当たらず地面に中身をぶちまけた…ように見える
「危なかったです…」
「テツ君、名前ちゃん、ありがと!」
『特に意味なかったけどね』
「おい。これはなんのつもりだ…」
「え?」
声がした方を見ると緑間が苛立ちを隠さず立っており、足元が先ほどの紙コップのせいで濡れている
そこで緑間は黒子を攻めようとしたが、黒子が犯人の男を指差した
「お、オレは、その、ちょっとつまずいて…」
「そうですか?つまずいた割には体制が不自然ですけど…それに、手の甲にある…」
「う、うっせーよっ!」
「一言、謝罪があってもいいのだよ…!」
そう言った緑間は手提げ袋からだるまを取り出し、3Pシュートの要領で撃った。と言うより投げる
しばらくすると、先程の男の悲鳴が響いた
「よし」
「よし、じゃねーっスよ!危ないじゃないスか!!他の人に当たったらどうするんスか!」
「馬鹿な。オレがゴールを外すわけないのだよ」
「そういう問題っスか!?」
「緑間君、ボク今のだるまを拾って来ます」
「黒子っちも、心配するのそっちっスか!?」
「頼む」
『テツヤ、あたしも行く』
「…ですが」
「テツ君、名前ちゃん!私たち休憩所に移動するから!拾ったら、そっち来て!」
素早く動き始めたテツヤはあまり良い顔をしていない。だが少しでもサポートできればと思いついていく
『テツヤのしたいことは分かってるから、お願い』
「わかりました」
だるまを拾って人を探すが探している人は見当たらない
どこにいるか大体分かっているがここは彼の手柄にしてあげたいと、ただテツヤについていくことにした