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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第32章 巻き込まれた夏祭り





お菓子を奢ると約束した緑間と紫原の2人と別れて3人で歩き出す

夏とは言えこの時間ともなると日も暮れ始め、徐々に空がオレンジ色と藍色へと変化してきていた

そう言えばあたしは邪魔じゃなかろうかと思ってさつきを見ると、特に気にしていないようで安心する


「そろそろ青峰君のところへ行きますか?青峰君もお腹を空かせているかもしれませんね」

「あー…うー、でも、もうちょっと焦らすっ私たちだけで、先に何か食べよっ」

「分かりました」

『何、大輝なんかやったの?』

「青峰君が悪いんだもん!」


事情を聴くと彼女は大輝にパシリにされたらしい。こんな可愛い子を1人で行かせるなんて許せないと同意し、行くのは後回しにされる

辺りを見渡すとたこ焼きの屋台が目に入り食べようという流れになったがあたしは未だ食べ終わっていないりんご飴があった

そこら辺で待ってると周りがざわざわし始める
あー、さつきがナンパされる奴かと、やばくなったら助けに行こうとスルーしているとしばらくしてさつきとテツヤが戻ってきた
そのタイミングで黄色い髪が抱きついてくる


「名前っち!」

『涼太、急に抱き付いてこないでよ』

「言ったら抱き付かせてくれるんスか!?」

『却下する』

「じゃあ言わないで抱きつくっス!」

『お前は主人の言うことを聞かない犬か。いや、犬だった』

「犬じゃないっス!」


りんご飴を口に入れ、背中に回っている涼太の手をほどく

後から来たテツヤの手にはたこ焼きのパックがあり、無事に買えたことが分かりホッとした


「きーちゃんの浴衣って変わってるね 」

「あっ、気づいたっスか!?仕事の撮影で使ったものをもらったんスよ男モノの浴衣でこういう柄って珍しいスから」


そう言っている涼太の浴衣に注目すると、パステルカラーの水色に小さなペンギンが散らされている


『…可愛い』

「そう言えば男の子用って、シンプルなのが多いよねそれに暗めの柄が多い気がする
テツ君のも黒だし、青峰君のも濃紺だったもん」

『緑間も青地に白だったもんね』

「濃い色のほうが男にとっちゃ無難っスから。白とか涼しげだけど、着てる人が少ないから、着るのに勇気がいるらしいっスよ」


涼太の言葉にテツヤとさつきが固まる。周りは賑わっているが突如訪れる沈黙に涼太が首を傾げた





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