第5章 新入生歓迎会
そんな出来事から数日、体育着に着替えて校庭で全校集会を行うと言われ、行くとやる気に満ち溢れた先輩が既にいる
何を行うのかとぼーっと見ているとハイテンションな生徒会の人が現れた
「それではただいまより、新入生歓迎鬼ごっこを始めまーす!」
『…なんで鬼ごっこ?』
「恒例行事だそうだ」
隣に立つ赤い髪の彼が言う。彼はまあ予想通り学級委員になったので先に色々知っているらしい
なぜよりによって鬼ごっこなのかと頭を抱える。他にも対抗でできるものはあるだろう、大縄跳びとかドッチボールとか。いやそれもどうなんだろう
だが中学の歓迎会が鬼ごっこで良いのか…と溜め息を吐いて顔をあげると、ふいにカラフルな髪が目に入った
『…あ』
やはりあの髪色に背の高さはみんな目立つよなあと思っていると、前からリボンが配られる
「今から配るリボンを胸元に付けてください。逃げてる人の証です!
捕まったらリボンを鬼の人に渡してください、先に外しとくのはなしですからねー!」
確認してみるとリボン色は黄色だったが、周りの人は赤や青、緑と色とりどり
面倒だなと考える。さっさと捕まった方が良いのかなと思っていると思いもよらない言葉が生徒会より発される
「今回も逃げ切った人、多く捕まえた人には豪華賞品をプレゼントします!」
『…豪華賞品って何?』
「学食無料券とか図書カードとかだね。それは抽選らしい」
『あー、ね?』
まあ賞品があるなら頑張るかと、腕をブンブン回しやる気があることを見せる
と言うか「今回も」ってことは、毎年やってるのか鬼ごっこは
「それでは始めます!逃げる方逃げてください!」
少々不安になりつつも逃げる準備をして、司会の合図と共に走り出した
「一緒に逃げるかい?」
『うーん、今回は1人で行く。征十郎どうせ勝つでしょ』
「めずらしく好戦的だね」
『賞品があるなら頑張るよ』
彼についていけば勝てるのは間違いないが、たまには1人で行動しようと思っただけだった。征十郎に「じゃ」と手を振って二手に分かれた