第48章 浴衣姿と赤色
『せ、征十郎!
近いです!とても近いです!』
「気にしなくて良いよ」
『そう言われても気にします!』
「大丈夫だよ」
『な、なら離してよ』
「それは無理なお願いかな」
『え』
「悪い虫がくっつかないか、心配だからね」
『…虫?
確かにもうすぐ夏だから虫は出てくるかもしれないけど…悪い虫って、んむ!』
・・・はい?は、へ?
なんであたし征十郎とキ、キスしてんの?
ていうか何度目!?
いや数えられるだけだけど、何て言うか、困る
「…真っ赤だね」
『そ、そりゃそうでしょ!?
キスなんかに慣れてたらびっくりだよ!
せめて何か言ってからにしてよ!』
「…言ったら良いのかい?」
『よ、良くない』
「矛盾してるよ」
そう呟いて征十郎はあたしを抱き締める腕に力を入れて、強く抱き締めているが大切なものを抱いているように抱き締めてきた