第31章 全中予選と夏休み
「また、熱中症に気をつけてー…」
終業式。話が長いよ先生もうみんな疲れてきてるんだから、話を早く切り上げてほしいと考えながら生徒会役員であるあたしと征十郎は体育館の隅で立っている
視線を集めるせいか、立ちっぱなしのせいか、暑いせいなのか分からないがなんだかいつもより疲れやすい
『…立ち眩みとか起こりそー』
「それは大変だね」
『…心配してないでしょ』
「この程度なら名前は大丈夫だろう?」
『どーせその通りですよ』
「だろうね」
クスクスと笑いながら言う征十郎を横目に見ながら先生の話を聞く
いや交通安全っておい、それならさっき生徒会長が話してたんだけどと一応覚えてる話とダブっていることに笑ってしまう
ふと生徒側に視線を向けると、背がでかいからのそ目立つ大輝が立ちながら寝ていることに気が付く。いっそその行為は才能じゃないだろうか
『…もうあいつらダメだ』
「それにはオレも含まれているのかい?」
『括弧付きの仮状態で』
「ひどいね」
『当然でしょ』
結局ものすごい長い話だったのと、寝ていたのがバレた大輝は担任の先生から怒られていた
ああ、彼は変わらないなとまた笑っていると、夏服になった制服にどこからか心地の良い風が吹いた
袖とスカートがヒラヒラと揺れ、明日からの夏休みをどう過ごそうか考えながら今度は教頭の話が始まる
いつになったら座れるんだろうと、みな思っていたに違いない