第31章 全中予選と夏休み
その後知っている通り大輝が部活をサボったりしたが、帝光はいつも通り1位で全中出場を決めた。それはまあ、先週末の話
今日は午前中は部活が休みのため、以前さつきと約束した水着を買いに来ている
『露出は少ないのを希望したい』
「テツくんって何色が好きなのかな!?」
『…テツヤねぇ…水色とか?』
たしか私服はマリン系のものが多かったんじゃないかと思い出して口にすると、さつきは水色の水着を探し出す
あたしは自分の好みのでいいやと、適当に自分のサイズの物をパッと見ていき、好みのものがあったら手に取るを繰り返していく
『これと言ってないかな…』
「名前ちゃん!私これにするね!」
『び、ビキニ!?』
「テツくんにどんどんアタックしていくんだから、頑張らなきゃ!」
『…あたしはワンピース型で良いかな』
「じゃ、これなんてどう?名前ちゃんのサイズにあってるはず!」
『なんで教えてないのにサイズ知ってるの?ねえ』
「なんとこれ、ワンピース型にビキニ型、ビキニだけど下がスカートにもなるんだよ!」
『どこのお買い物情報だ』
あれか、社長直々に商品の説明をしているお買い物番組か?実はあの社長ことをかなり話の持っていき方が上手いと思っている
そうして勧められた水着を購入し学校へ向かっていると、さつきは深刻そうな顔をしてあたしに話しかけて来た
恐らく内容な大輝だと推測するが予想通りだった
「青峰君、怖いと思わない?」
『才能の開花?それなら大丈夫だよ』
「本当?」
『テツヤが何とかしてくれるよまあ、ダメになったら…あたしが何とかするしさ』
「名前ちゃんが…?」
あたしの言葉に疑問を持ったのか、言ったことを繰り返してきたさつき。先ほどと同じように、その表情は深刻そうだ
『あいつだって、バスケバカなんだから、ね?』
「そうだよね…うん!私テツくんを信じる!」
『あたしは信じないの?』
「名前ちゃんもだよ!」
その頃、テツヤがくしゃみしていたとは知る由もなかった