第31章 全中予選と夏休み
「予選初戦無事突破!おめでとー!」
その翌日、 食堂でいつもの面々でお昼を食べているところにやってきたさつきだが、彼女の祝いの言葉に対しキセキの反応は薄い
「ん」
「そうだな」
「あれ、テンション低い!?」
「むしろなんでそんなお前が高けーのか聞きてーよ去年も優勝したし」
「いつものことじゃんー」
「…」
「黒子っちは昨日からずっと幸せそうっスけど」
「テツは公式戦では初めてだったからな……練習試合はさんざんやったけど」
『大丈夫だよテツヤこれから6人目としての出番が増えていくから』
「まあ勝ったのは喜ばしいことだこの調子で油断せず行こう。と言って終わりにしたいところだが、1つ提案がある『征十郎』」
その提案の内容は知っている。彼はモチベーション維持のため1人1試合につき20点のノルマを課するというものだ
だけどそれが良いことだと、あたしは思わない
『自分の首を絞めるだけだよ。あたしはその案反対する』
「…名前ちゃんは本当に未来を知っているのか口振りだよね」
『そうだねさつき。もし知ってるって言ったらどうするの?』
「…名前っち、未来が分かるんスか?」
『分かるわけないじゃん』
「苗字が珍しく真面目な顔で言ったから、びっくりしたのだよ」
『安心して、冗談だからさ』
緑間に答えてから手元にあるお昼ご飯をモグモグと食べていく…冗談だって言ったのに意外と視線がしつこい
普段から冗談は言っているし嘘だってつくのだからどうしてそこに引っ掛かっているのかが疑問に思う