第30章 プールの授業
「今度、海行かないっスか?」
「海?」
「もうすぐ夏休みで全中だけど~」
「その夏休みに行くんスよ!」
「全中ありますよ」
「オフだってあるでしょ!遊ばないと損っスよ!」
「名前さんが行くならボクも行きます」
『えーなら一緒に行こうテツヤ』
「もちろんです」
「ん~、オレも行こっかなー」
『じゃあ征十郎とかみんなも誘おうか』
「きっと皆さん喜ぶと思いますよ」
「オレ、今から楽しみにしておくっス!」
ニコニコの涼太がいつもと違って可愛く見えて、こちらも不思議と笑顔になる
楽しみだなあと思いながらそのまま歩いていると体育の先生から休憩だからプール上がってろと指示が出る
「休憩だってー」
『ただプール内をぐるぐる回ってただけだけどね』
「とりあえず、出ましょう」
「そっスね」
プールから出るためはしごみたいなものに足をかけるとまたもや足を滑らせて後ろへと倒れる
なんだ今日は水難の相でも出ているのかと思っていると、後ろで待っていた紫原が上手くキャッチする
「名前ちん、大丈夫~?」
『ありがと紫原助かった』
「名前さん今日よく溺れそうになりますね」
『まだ2回だけなんだけども』
「十分多いです」
『…おは朝ではそんな悪くなかったんだけどなぁ』
最終的にその日のプールの授業であたしは溺れかけること4回、3人があきれてしまうくらい滑って突然いなくなるということを起こした
教師からもその様子は見られていたようで「気を付けろ」と指導を頂いてしまった。これくらいで成績が下がらないことを信じている