第46章 別の意味でドキドキの肝試し
その日の練習と夕飯が終了し、ちょっと外でも走ろうかなーなんて言う人もいるかもしれない時間帯、より遅い
周りは真っ暗だ
そこでわざわざ同級生+後輩を呼び出した
その理由はただ1つ
『精神を鍛えるため、肝試しをやりまーす!!』
「「「「…は?」」」」
「え、どういうこと?」
「てか先輩達は?」
『その説明は今からするからちょっと待ってねー
今回の肝試しは監督も承認済み!
しかも場所は墓場に、驚かせるのは普段から生意気な後輩にピキピキしてる先輩方という!』
「…はぁ!?」
いやそりゃあ先輩達も生意気な後輩が居ればストレスになるよな、うん
そのうっぷんを晴らすのが肝試しなんだけれども
「それ不参加っつーのはできないんですか?」
『できるよー』
「じゃあ不参加に、
『今回の肝試しの奥にはある箱が置いてあるんだけどー』」
「…?」
『その中に明日の夕飯用の食券が入ってるんで、もし参加しなかったら明日の夕飯無しですよー』
「「!!」」
『他の人の分まで取ってきたら、もちろん虹村先輩直伝の技が掛けられまーす』
あたしの言葉にどんどん顔を青ざめていく同級生と後輩達
我ながら良い案だと思っている
これの準備のおかげで昼間忙しかったけれども
『んじゃ、2人ペアで良いから行ってらっしゃい
道順は真っ直ぐだから、懐中電灯は無しだけど』
「…はい」
顔をとても青ざめさせている後輩ペアの背中を押して中へと入らせる
その間にあたしは無線で虹村先輩達と交信するのだ