第30章 プールの授業
そして昼休み明けの午後、更衣室で頭を抱えていた
『真面目にありえない…』
スクール水着とは誰が考えたのか、太ももの露出は避けれないしピタッとしているからスタイルは出るのも回避不可能
巻きタオルを身体につけたままスクール水着を手に取り頭を抱えるあたしは変な人だろう
「集合時間まで残り5分切ったよ?」
『マジかありがと、すぐ行く』
成績を落とされるのも困ると、ヤケクソになりながらスクール水着を着る
準備体操や入る前のシャワーも終了して、早速プールに入っている人も多い中、あたしは重大な危機に直面していた
『…あたしカナヅチじゃん!』
「名前さん泳げないんですか?」
『テツヤそれに涼太に紫原まで勢揃いじゃん。筋肉割れてんねえ』
「名前っち、そこ恥ずかしがるところっスよ」
『…プールで恥ずかしがってもなぁ。たまに着替え見てるし』
「何~?名前ちんカナヅチなのー?」
『そうなんだよ』
「浮けないんですか?」
『何でだろうね、他は大体できるんだけど』
「名前っちが泳げないなんて意外っスわ」
そう呟いて前髪をかきあげる涼太
ただでさえモデルの水着姿で女子達が騒いでいると言うのに、前髪をかきあげたことにより女子が余計に騒いだ