第29章 みんな仲良く
第3者side
「名前!」
珍しい赤司の大声にバッとその方向を見る通行人にキセキ達。幸いにも赤司が受け止めて外傷はない
「名前っち倒れたんスか!?顔色悪いとは思ってたっスけど…」
「倒れるとは思ってなかったよね~」
「呑気なこと言ってないで、名前ちゃん連れて病院行かないと!」
「その必要はない。ただの寝不足だ。」
「…何やってるんですか名前さん」
「紫原、名前を運んでくれないか」
「オッケ~、んー…ミドチンお菓子持っててー」
「分かったのだよ」
普段は渋々納得している緑間も、今回は焦りを感じているのかサラリと納得する。紫原は苗字を抱き上げて赤司についていく
「赤ちーん、名前ちんどうすれば良い?」
「家まで行こう。緑間、お菓子はオレが持つ。黒子達は先に帰ってくれ」
「分かった。頼む」
「わ、私も行く!」
「さつきは暗いんだから帰れよ。オレが送ってやるから」
「な、青峰君は名前ちゃんが心配じゃないの!?」
「そりゃまあ…心配だけどよ」
「とりあえずお前らは帰れ。明日の朝練のときに報告しよう」
「赤司が言うなら仕方ないのだよ」
「私も行くよ!」
「オレも行きたいっス!」
「黄瀬君はともかく桃井さん、ボクも一緒に送りますから、帰りましょう」
「テ、テツくん…」
「…オレも、桃っち送るっス…」
黒子の言葉に納得してか、渋々ながら帰ると言い出した桃井と黄瀬は不安そうな表情をしながら紫原と赤司の背中を見送る
大勢で行っても迷惑だから仕方ないと言い聞かせ、いつもより口数の少ない帰り道を歩いた