第42章 テスト前最後の部活
「桃井、あとは任せた
黒子には寄り道をさせず、まっすぐ帰らせてくれ」
「え、ちょ、ちょっと赤司くん!?」
『ちょっと征十郎置いてかないでよ!
じゃ、さつき頑張ってね!』
「#NAME1#ちゃんまで!」
スタスタと本を読みながら進む征十郎のことを追いかけて少々小走りになる
征十郎は背中越しにヒラヒラと手を振っており、あたしのこと忘れてんじゃないかおい。と思った
その瞬間、この間捻ってしまった足首を90度まではいかないがグキッと捻ってしまったあたしは、見事なまでに前に倒れ始めた
『う、あ』
「おっと、大丈夫かい?」
『…痛い』
「この間捻ったのをさらに捻るとはね…
違う意味で尊敬してしまいそうだよ」
『いや尊敬しないでよ』
この間階段でも捻ったのに、さらに重症にするとはすごいなーっと思って立とうとする
しかし、この間から歩くのを右足はカバーしていたほどなのだから、今は立ってるだけで右足が辛い
『…いいよ、行こっか』
「何無理をしようとしているんだい?
手を貸そう、もしくは背負おうか?」
『手を貸す方向でお願いします』
さすがに夜だったら目立たないけどさ、お昼からおんぶされるのを見られるのは嫌だ
…歩けなかったら仕方ないけど、今回は歩けるし、うん
『…ありがと』
「礼には及ばないよ」
クスクスと笑う征十郎と、勉強会の日程とかを話し合いながら足を進ませる
その日の帰りはいつもよりも時間がかかったが、どこか心拍数が上がる帰りだった