第28章 景品稼ぎ
「1、2、3、あがりだ」
「ま、参りました…」
「ワァァァァァ!!」
「すげぇ、ハッピー人生ゲーム部部長相手に素人が勝った!」
「何と言うことじゃハッピー人生ゲームであんなに差がつくとは…正に人生の勝ち組じゃあ!」
ハッピー人生ゲーム1つでそんな簡単な人生ゲームで勝ち組かどうかが判断できるのかと思いながら、先ほどから行く先々にいるおじいちゃんが気になってしまう
あのおじいちゃんは征十郎の無双伝説の語り人になれるだろう
「それなりに楽しませてもらったよそれで、勝つと何がもらえるんだったかな」
「く…チロルチョコ、3年分だ!」
「ウオォォォォ!」
チロルチョコってだいたい20円だよね?それを3年分で21900円?まいう棒より全然高いじゃないかと賞品を受け取る彼を見ながら再び商品金額を計算する
「ふ、頂いていくよ。さて、次はどこへ行こうか」
『…まだ行くの?』
色んな部活からお菓子など荒稼ぎした征十郎はでかい袋に詰めている。それをもって廊下に出ると、またも注目を浴びる
「な、なんだあいつなんであんなにでかい袋引っ張ってんだ?」
「季節外れのサンタクロース!?て言うか横に花嫁!?」
かなり大きめの袋をほぼ引きずっている征十郎と、横にドレスのあたしが居るせいかかなりの注目を浴びている
赤い髪で大きな袋を持っているところはサンタクロースはあっているかもしれないと考えていると、彼は困った顔をしていた
「いい加減荷物が重いな。仕方ない。今日は終わりにしよう」
『あ、終わりにするの?』
「これ以上荷物が増えてしまっては困るからね」
『じゃあ模擬店とか回りに行こ!あたし着替えてくるから、征十郎はその荷物置いてきなよ』
「…ああ、行こうか」
彼と並んで歩く。階段を上るためスカートを少々持ち上げるが、見事なまでに裾を踏んでしまいバランスを崩す
なんだか最近階段から落ちることが多いなあなんて思っていると、横にいる征十郎が腕を伸ばしあの時のように落ちることはなかった