第41章 冷たい眼
『…そっか
そいえば昼間にテツヤが探し歩いていたらしいんだけど、緑間会った?』
「そうだ
昼間、黒子がおまえを捜していたが、会えたのか?」
「ああ、会えたよ」
征十郎の眼が普通の暖かい眼に戻って少しホッとしたのもつかの間
これからもう1つ、いや2つか冷たい眼をする征十郎がまだ2回ある
それを越えた後は、しっかり道を正さなきゃ…
「……彼はどうするのだろうな」
「なにがだ?」
緑間が征十郎に質問した瞬間、強い風が吹いて緑間は眼を細めて手をかざした
その風のせいか緑間の視界と音をさらった一瞬のときに征十郎は喋ったらしく、緑間には聞こえなかったらしいがあたしには聞こえた
「友情に浸るのもいいが、我が部の理念がそれを反したとき、彼はどうするのだろうと思ったんだ」
その時の征十郎の眼はまた冷たくなっており、あたしの心を傷つけるには十分だった
…だけど、弱い所を見せるわけにはいかないかな
『学生の本来することは青春であって、勝つことではない
それなら決まってるじゃん
テツヤが間違っているんじゃなくて、部活の理念が間違ってるんだよ』
「…そう、なのか?」
『前にも言ったじゃん、征十郎は肩に力入れすぎだって
別に虹村先輩みたいな主将目指さないで征十郎なりの主将目指せば良いじゃん』
まあ、まだ主将になるとは決まってないけど。とポツリと呟き征十郎と本来分かれる道を曲がる
『今日はここまでで良いよ
また明日朝練でね、征十郎に緑間』
「ああ」「またな」
これで道を正せたのかは知らないが、ちょっとでも未来を変えれていたらなーっと思っているのが、あたしなのです
一言でまとめれば、彼らを救いたい一心