第27章 艷仁知をしよう
交代してもらったらどこに行こうと考えていると、入り口から黄色い声があがる
なんだと思って見るといつも通り制服姿の征十郎がいた
「名前、珍しい格好だね」
『ああ、うん。征十郎…何その大きな袋は』
「優勝賞品が少々入っているんだ。先ほど囲碁部で8連勝とオセロ部で10連勝してきたからね」
そうか無双伝説かと納得する。彼はこの後色んな部活やら研究会に行って賞品を稼ぎに行くんだろう
『まあ、行ってらっしゃい』
「何言ってるんだい名前」
『え』
「もう少しで担当時間は終わりだろう?将棋部に居るから、後から来るといいよ」
『え?え?』
「名前っちー、お昼だからあがっていいって…赤司っち!これからどっか行くんスか?」
「将棋部へ行こうと考えているところだ」
本来であれば征十郎が将棋部に向かってる所に涼太が会うはずだった気もするが、ここに迎えに来たからズレたんだろうかと予想する
ちょうど上がらせてもらえそうだし着替えようかと考えながら2人の会話を聞き流していると、会話が終わった
「じゃあ行こうか、名前」
『え、着替えてきていい?』
「…似合ってるからその格好で行こうか」
『はぁ!?』
「やっぱ名前っちすごい似合ってるスよね!名案っス!」
全然名案じゃないしこの格好がどれだけ大変なのか分からないのかと考えているが、征十郎の目は異議を受け付けていない
対する涼太の瞳はキラキラしていてなんだか対照的な目をしているなと考える
まあ考えればクラスの出し物のいい宣伝になるかもしれない
盗撮にだけ気をつければいいかと彼の横に並び足を進めた