第27章 艷仁知をしよう
「名前ちん可愛いー砂糖菓子みたいだよー」
『…砂糖菓子?』
「真っ白でふわふわしているとこー」
『マシュマロじゃなくて?』
「砂糖菓子が良いのー」
「名前っちのこんな姿見れるなんてオレ幸せっス!」
『はあ』
3人で話していると、そろそろ営業が始まるから準部をしろと実行委員から声がかかる
廊下では既に行列ができているらしく、その多くが涼太のファンだろうとクラスの皆が思ったに違いない
「いらっしゃいませ!艶仁知~艶やかなる新しき愛と知性をあなたに~へようこそ!」
「あ、あの!黄瀬君居ますか!?」
「はい!あちらに」
「キャアアア!本当に黄瀬君だ!しかも将校の格好!!」
「行こ行こ!」
さっきから来るほぼ全員の女子が涼太のところへと向かっており、重たく動きにくいあたしはほとんど仕事をせずに済んでいる
だがもサボっていると思われたら営業モードの顔に切り替えてニコニコしていると、と後ろから話しかけられたため振り替えると人が並んでいた
「名前ちゃーん、写真撮りたい人がいっぱい居たから、並ばせといたから!」
『あたし?待って、正気?』
「はいこれチェキカメラ!これなら画像流出しないよ!」
『そういうんじゃなくて』
「頑張って稼いでね!」
稼ぐと言ったが彼女はどういうつもりなんだろうかと一生懸命考える
『輪投げであたしに勝ったらチェキ撮っていいよ!挑戦権3回まで!』
「あー!オレも!射的でオレに勝てたら写真撮ってあげるっス!」
こうすればこの格好が手元に残る人が勝った人だけで済むと、我ながら明暗ではないかと内心ガッツポーズををする
こういうときは征十郎を憑依させようと、並んでいる人を裁いていくあたしは帝光中男子バスケ部に負けない百戦百勝を記録した