第40章 強がり
第3者side
「…寝ているのだよ」
緑間の腕の中では先ほどまでボロボロと涙を流していた#NAME2#が眠っていた
恐らく泣きつかれたのだろう。と緑間は予測し、保健室の端にあるベッドに寝かせようと再び横抱きをする
「見た目より軽いのだよ」
前に赤司から#NAME2#の家が橙崎だと聞いたことを思いだし、こいつも苦労しているのかと緑間は考える
しかしベッドに下ろして#NAME2#を見た瞬間、緑間は驚愕した
「…体が透けているのだよ!」
試しに手首を触ってみるが普通に触れるため、消えているわけではないと分かったらしい緑間は安心したのか溜め息を吐いた
ちょうど授業終了のチャイムが鳴り、緑間が連絡したわけでもないのだが赤司が#NAME2#を見に保健室へとやってきた
「緑間、何をそんなに驚いているんだ」
「#NAME2#が、透けているのだよ」
「…またか」
そう呟くと赤司は#NAME2#の手を握り、ひたすら大丈夫だと言い始めた
端から見たらちょっとシュールだが、面子が面子なせいか余計シュールに見える
「…戻ったのだよ」
「小さい頃から何回かあってね、なにもかもしなくとも直るのだが早く直すにはこうすると良いらしくてね」
「さすが幼なじみなのだよ」
赤司は空いている方の手で#NAME2#の目尻に浮かんでいる涙を拭い、頭を撫でる
頬の湿布はかなり目立つらしく、赤司は緑間に何があったのかを問い掛ける
緑間はそれに#NAME2#から聞いたことを大まかに伝えて赤司に説明する
それの話しを赤司はあまり良くは思っていないようだが、特に害を加えるつもりはないらしい
ちなみにその頃紫原と黄瀬の間では#NAME2#を探し歩いていたらしい