第27章 艷仁知をしよう
迎えた帝光祭当日、自宅からヘアアイロンやコテを持ってきているあたしたちのクラスはやる気が違う
催し物ではなく、衣装の
「はい、髪のセット終わり!やっぱり思った通り巻き髪似合うねー!」
『ん…?んん、ありがと?』
「じゃ、これ持って更衣室で着替えてきてね」
『…待って、中世フランスのドレスじゃないよね?』
「どーしてもこれを着て欲しいの!」
『え、いや…待って、分かった。分かったから近寄ってこないで』
彼女の手にあるその衣装をもらって、既に何人かいる更衣室へと入り着替えを始める
結局生徒会に入り浸っていたあたしは衣装が何なのか知ることがなく、思っていたの物と全然違ったので驚いた
フリフリひらひらよりマシかなと一安心する。いや冗談だ。どういうことだこれは
『待って誰かファスナーあげて』
「はいはーい」
『これ廊下歩くの酷じゃない…!?』
「えー!似合ってるよー」
「一緒にフード付きのマントもらわなかった?それを被ってけば良いんだよー」
『…あ、あった』
「一緒にいこー!1人でこの怪しい格好は嫌だけど、複数居るなら怖くない!」
そう言われ歩き始めるが、明らかドレスのシルエットが何人もいるもんだからすれ違う人から注目を浴びる
そりゃそうだ。学校でドレスを着ている人なんて演劇部以外見たことがないと考えながら、このマント取りたくないなという思いが脳内を占める
『…あのさ?』
「ん?どーしたの?」
『このマント被ったまま接客しちゃだめかな』
「いやいや、ダメでしょ生徒会がサボってどうするの」
教室に到着するとすぐにクラスの子が寄ってくる
目立たないようにと静かにマントを取るが、それでも気づく人がいるわけで、気づいた人の視線が軽く怖かった
『…う、なにこの視線』
「可愛い!真面目に可愛いっス!」
「名前ちんもドレスなんだーお揃いだねー」
『あー。ありがとう。紫原と涼太も似合ってるよ』
「えへ、金髪の将校っスよ!名前っちは…ウェディングドレスっスか?」
『フランス革命掠りもしてないんだけど』
状況を説明すると、あたしに用意されていた衣装は真っ白なウェディングドレスとヴェールだった
脚の周りはふわっふわしており、どこの夢の国のプリンセスを目指しているのか不思議になる