第40章 強がり
征十郎と別れて自分の教室へと向かう途中
よくわからない強い風が吹いて、持っていた資料が飛んでいってしまった
…なんか、あまり良い予感がしないな
けどさすがに資料を無くすわけにはいかないために遠くまで飛んでいってしまった資料を追いかける
その先にはある数人の女子が居た
『…涼太のファンの子?』
「#NAME1#ちゃん、だっけ?」
『そうだけども』
「あなたは赤司様のなんな訳?」
…キセキのファンで先輩か
ありきたりな呼び出し、ではないけどもこれは…面倒な展開になりそうだな
そこら辺に散らばる資料を集めて腕に抱え込むと見事なまでに頬に平手打ちが来た
『征十郎達のことが先輩は好きなんでしか?』
「…!」
バッと顔を赤くして、どこか可愛い行動をする先輩達
だったらこんなことやっても無意味でしょうに
『散ってください』
「…は?」
『今なら何も言いませんから、早く散ってください
じゃないと、紫原がここら辺をうろちょろし始めるかと』
「そんなの、待ってた意味がなくなるじゃない!」
…真面目に面倒だな
このままだと暴力に走るかもしれないから、逃げた方が良いのかなぁ
スッと階段を1段下りるとそれを見てニヤつきながら目の前に居た先輩があたしの肩をグッと押した
……おいおい、ありきたりすぎるだろ
階段で呼び出されて落とされるなんて、これでだいたいが記憶喪失とかになるんだろ?
周りがスローモーションに見えてきて、このまま元の世界に戻るのかなぁなんて呑気なこと考えながら目を瞑る
しばらくすると背中に痛みを感じた