第39章 自分と赤色の多忙な1日
「黄瀬、なんかしたのか?
勝負は結局してねーんだろ?」
「青峰、その『なんか』についてではないよ
俺が聞いたのは、黄瀬の黒子に対する態度が柔らかくなったのでは、ということだ」
「そりゃねーよ
だって、あの黄瀬だぜ?
テツに対してあんなにツンツンしてる奴が何で柔らかくなんだよ」
「どうなんだ黒子」
征十郎の問いにテツヤは頷いて肯定を示す
そこからテツヤは口を開いて喋り始めた
「赤司くんの言う通りです
黄瀬くんの態度は僕が少し戸惑うぐらい変わりました」
「そうか。それを確認しておきたかったんだ」
「胸のつかえが取れました」
そんなやり取りを見てか、青峰は肩を落とした
…疲れたんだろーな、校内すごく広いのに歩き回って
「あんだけ校内歩き回って、結局それだけかよ……」
「俺もまさかわざわざ聞きにくるとは思わなかったよ」
「すみません。気になってしまって……」
テツヤは頬をかいて、その言葉を聞いた征十郎はあたしが持っていたブレザーを取り袖を通し始めた
それと同時に午後の授業の予鈴が鳴り始めた
「やべっ!次、体育だ!
テツ、赤司、#NAME2#、また放課後またな!」
「あ……」
テツヤは何か言いたそうにしていたが、足の速い青峰は颯爽と体育館から出ていってしまった
「青峰になにか伝え忘れか?」
「お礼を言いたかったのですが、間に合いませんでした
……いつも言いそびれるんです」
「いつも、か」
征十郎はふわりと微笑み、テツヤはそれに気づいたのかじっと征十郎を見つめて口を開いた
「なんですか?」
「青峰とは距離が近すぎて、改まってお礼が言えないんだろう?」
征十郎の言葉にテツヤは再び息を呑んだ
恐らく図星だったのだろう(ていうか図星なんだけど)