第26章 合宿
「遅かったから心配してたよ!何かあったの?」
『…色々と』
「そっか」
『ウン』
「…その首の赤み…何?虫刺され?」
さつきの視線の先にはふと先程の征十郎が顔を埋めていた時痛みがあったあたりだった
急いで洗面所に駆けていき鏡を見ると、小さな赤い発疹が出来ておる
この正体が何なのかも犯人もわかってしまい、顔がブワッと熱くなり、赤くなる
『な、ね、寝る!』
「え、お、おやすみ」
既に敷かれている布団に潜り込むと、さつきは深追いする気がないのか電気を消して布団に入る音がした
その後すぐにさつきの布団からは寝息が聞こえたのだが、あたしは心臓バックバクのため、深夜遅くまで眠れなかった
そのまま浅い睡眠を繰り返し翌日、さすがに赤い発疹を晒すわけにいかないあたしは仕方なく絆創膏を首に貼って隠す
「苗字…クマすげぇな」
『…色々とあって寝れなかった』
「名前っちの可愛い顔が台無しっス!」
『ソリャドーモ』
「首の絆創膏は何があったの~?」
『虫刺され』
「名前っち…もしかしてそれ『虫刺され』」
服で隠れるか隠れないかの微妙なところ、彼は狙ってやったのだろうかと思っていると緑間が虫に刺されたと起用の塗り薬を差し出してくる
「いるか」
『…何で持ってんの緑間』
「ラッキーアイテムの候補として持ってきたのだよ」
『ありがとう大丈夫』
「塗った方がいいんじゃないか、名前」
分かってるのにも関わらず普通の対応をしてくる征十郎
少しくらいあたしの気持ち考えてくれても良いのにジト目で見つめた