第39章 自分と赤色の多忙な1日
「…これ、手でやるんスか?」
『スプーンが何のためにあるのか考えようよ』
「納得したッス!」
「#NAME1#ちーん、俺のだけでかくしちゃダメー?」
『焼けなくてむしろ少なくなるわ』
「!!」
『ほら、とりあえずできたら鉄板の上に乗せて
生地を全部使いきったら焼くから』
しばらくすると生地がなくなったため、あらかじめ予熱していたオーブンにクッキーを入れる
その間に使ったものを洗って涼太に拭かせているとき、急に紫原が呟いた
「#NAME1#ちんって、お母さんみたいだよね~」
「あ、その気持ち分かるッス!」
『お母さん、ねぇ…』
紫原と涼太のお母さんだったら家計がどうなってるかなー。とか考えたりして、手元にあるボールを洗う
「あ、ついでにこのコップも洗ってほしいッス!
紅茶入れるらしいッスよ」
『ん、…あ』
受け取った瞬間に人差し指に来たピリッとした痛み
その反応でカシャンッと床にティーカップを落としてしまった
『…指切れた
先生、コップが欠けてたのにびっくりさた反動で落として割っちゃいましたー』
「じゃあこの絆創膏はって、後片付けは私がやっておくわ」
『お願いしまーす』
家庭科担当の先生から絆創膏をもらい、右手の中指に貼る
血がじわじわと滲んでいて、あまり良い気分にはならない
「#NAME1#ちーん大丈夫?
あとクッキー焼けたよー」
『大丈夫
…キツネ色に焼き上がってるから、完成かな』
「本当ッスか!?
早く見せてほしいッス」
『…食べるんじゃないんだ』
「今甘いもの禁止中なんス」
「じゃ俺食べて良い~?」
「ダメッスよ!
黒子っちにあげるんスから!」
…お前らは女子でも目指しているのか
そんな質問をしたくなったのは内緒にしておきます