第26章 合宿
部屋に戻って髪を乾かすと、夕食後に明日のスケジュールを共有すると言われたが何もしてないことを思い出す
また怒られると嫌なので虹村先輩を探しにペンとメモ帳を持って再び廊下に出た
巡回すると言っていた彼はなかなか見つからず、やっとの思いで見つけたのだが当の本人は「何故来たのか」という顔をしていた
「なんだよ苗字」
『明日のスケジュールの確認なんですけど…忘れてました?』
「おう、そうだったか?」
『虹村先輩が夕飯の後にって言ってたんですよ』
呼び出した本人が忘れてどうすんだ。とツッコミしたいが、それは置いておき話をこちらから振る
浴衣の袖がひらひらしてて邪魔で、やっぱり着ない方が動きやすかったかもなぁと思いつつ話を続けた
『じゃあ明日は楽なメニューなんですね』
「倒れられて飛行機乗れなかったら困るからな」
『倒れる人は現れるで…あ、ペンが…!』
握っていたペンを落としてしまい、取ろうとすると浴衣の裾を踏んだのか前のめりに倒れてしまう
しかも虹村先輩まで巻き込んで
『す、すみません。重いですよね退きます』
「あー…重くはねえけど、まあ退いてくれた方が助かるわ」
『…同情しなくても大丈夫ですよ』
「ちげぇって言ってんだろうが」
立ち上がろうとすると少し前に影が落ちる
まずい茶化されると視線を上に向けると征十郎だった。茶化すことなどしなそうな人物に安堵し息を吐く
「名前に…虹村さん?」
「おう、赤司か」
『征十郎、浴衣似合うね』
「名前が転んだんでしょうけど、こんなところで何しているんですか?」
『どーせ当たってますよ』
腕に力を入れて体制を起こし、虹村先輩の上から退く
少し乱れた浴衣を直し、虹村先輩が拾ってくれたペンを受け取りお礼を告げる