第4章 入学式と振り分けテスト
「#NAME1#、中学ではマネージャーやるのかい?」
『征十郎さんがね~やれって言うしやろうかな~』
「言ってない」
『ごめんごめん。やるよ』
きっかけはあの時、征十郎の涙。近くで支えてあげたいなんて思ってしまった
変な動機だがどうせ彼に言うつもりはないし、理由と聞かれていないからやる理由なんてなんでもいいだろう
「さ、中へ行こう」
『征十郎は部活のパンフレットは?』
「いらない。#NAME1#は?」
『右におなじ』
必死に渡してこようとくる人を華麗にかわしながら、征十郎と話をする
少し大きな制服に身を包み、あたしはこの名門帝光中学校へと入学した
征十郎と同じクラス、ということで同じ教室へ向かう。中へはいるとシャララっている黄色い髪が暇そうにしていた
黄瀬涼太だ。こちらにちらりと目をやって「あ」と言う顔をしたが表情を戻す
なんだったんただろうと疑問に思うがこちらから話すこともないので気付かないふりをして征十郎に話しかける
『今日は征十郎パピー、来てるの?』
「さあ、入学の式の話はしたが、どうかな」
『雪さんが、征十郎とあたしの写真撮りたいってさ』
「卒業式で撮ったばかりなんだが…」
その後始まった入学式は至って普通
名前を呼ばれて返事して、大人が挨拶して、入試1番であろう征十郎が挨拶して、本当に何も無く終了する
途中呼ばれた灰崎の名前も確認し、こうして無事に重要人物が揃い慌ただしく賑やかな中学3年間が始まった