第26章 合宿
『2人ペアで良いから行ってらっしゃい。ひたすら真っ直ぐ行けばゴールだから、懐中電灯は無いけど』
「…はい」
顔をとても青ざめさせている後輩ペアの背中を押して中へと入らせ、その間に無線で虹村先輩達と交信する
『苗字です。ただいま2人行ったんで、殺さないなら思う存分どうぞ』
「じゃあ半殺しは大丈夫か?」
『全然大丈夫です』
「いやよくないっスよ!?」
「了解、行ってくるわ」
『頑張って下さいね』
無線のマイクを切って次のペアの方向を向いた瞬間、大きな悲鳴が聞こえた
『…まあ、あの程度で悲鳴出すとなるとゴールにつけるか不安だなぁ。よし、次のペア行こうか』
「おおおおおオレらですか!?」
『そんなビビらなくても平気だよ。酷くても半殺しだから』
「それが怖いんですよ!」
気持ちが分からなくもない。あたしだって怖いものはダメだし、本当はこんな街灯がないところ居たくない
けれども面白そうという好奇心の方が勝っているのだから仕方がない
『大丈夫だから、行ってらっしゃい?』
「う、うわぁぁぁぁ!」
「おい、お前先行けよ!」
『頑張ってねー』
先程と同じく無線を繋いで虹村先輩に連絡する。ちなみに数少ない後輩達はみな、顔を青白くしていた
『よし!』
後輩がげっそりしながらも全員戻ってきたため、次は同級生である2年生を道へと行かせようと虹村先輩に連絡する
その結果OKがでたため、またペアを組ませて行かせ、最後に残しておいたキセキ達のみになった
『…ペアどうしようか』
「オレは名前っちとが『残念ながら不参加です』」
「…そうだね、クラス別で良いんじゃないか?」
「げ、オレ緑間とじゃねーかよ」
「げとはなんなのだよ!」
「オレは黄瀬ちんとかー」
「そうっスね!でも赤司っちと黒子っちがペアいない…わけないっスね」
「ああ、黒子とオレがペアになれば悩まなくて済むだろう」
『うん。じゃあ大輝と緑間から行ってこい』
「おー」
「行ってくるのだよ」
2人を見送ってから無線のマイクの電源を入れて虹村先輩と連絡する
先輩らの鬱憤であろう本命のメンバーがようやく行ったことになんだかワクワクしてしまう