第26章 合宿
虹村side
「…名前は寝てしまったみたいですね」
「そうみてーだな」
赤司は苗字な手を握って「大丈夫」とポツリと呟く
その理由がオレには分からず、苗字にどっか悪いとこでもあんのかと考えた
「苗字はどっか悪いとこでもあんのか?発作とか、何か」
「いえ、何もありませんよ」
「だったら何で大丈夫なんて言ってんだ?」
「暗示ですよ」
「ふーん」
苗字は何事もないようにすやすやと寝息を立てて寝ており、やっぱり桃井とか女子と隣にした方が良かったかとも考えた
だがそれだとこいつ今頃寝ないでしゃべってんなと、選択は間違っていないと自己完結する
それからピクリともせず寝続ける彼女の手を赤司は離さなかった。それを面白いとは思わないが、茶化そうとも思わない
飛行機が着陸体制に入り、シートベルト着用のランプが点灯する
「苗字、そろそろ起きろ」
体を揺すると、彼女はゆっくり目を開けた