第26章 合宿
『…ふわぁ』
「名前っち眠そうっスね!
もしかして楽しみで眠れなかったんスか?」
『もうそういうことで良いよ』
「オレもオレも~。向こうだと限定のまいう棒売ってるんだってー」
「主将、緊張しすぎっスよ!顔がいつもの3倍怖いっス☆」
「うるせぇ」
『…寝ます』
「こんなときに寝たらダメっスよ!せっかくの合宿なんスから、寝たらもったいないっス!」
涼太の言う通り今日から連休のために合宿が始まる。しかも飛行機を使ってのかなり大きめの合宿だ
ちなみにあたしの後ろの席には涼太と紫原をはじめキセキたち座っていて、横には虹村先輩と征十郎が座っている
『…真面目に虹村先輩の顔、強張ってますよ』
「う、うるせぇよ」
『体全体的に力入りすぎです。このままだたと到着する前に体力が減りますよ』
「…そうか」
『とりあえず、力抜いてください』
溜め息を吐いてから深呼吸を始める虹村先輩。しばらくするとこちらを向いて再び話し始めた
「大分マシになったかもしんねぇ…」
『…まあ、その位の力加減なら大丈夫でしょう』
「ん、サンキュ」
『じゃあ寝ます』
「はぁ!?」
『征十郎肩貸して』
「いいよ」
寝顔に自信があるわけではないが、征十郎の肩を拝借して寄りかかり寝ようとする
そもそもなぜこの2人に挟まれているのか大変疑問だが、そんなあたしを寝かせないように邪魔をするのは黄色い犬ならぬ、涼太だ
「名前っち寝ちゃいやっス!寝るならオレの肩を貸すっス!」
『邪魔するなワンコ』
「だから犬じゃないって何回言えば分かるんスか!?」
『涼太はワンコでしょうに』
「だから違うって言ってるっス!」
『…おやすみ』
「ああもう!寝ちゃいやっス!」
涼太の叫び声を聞きながらあたしはゆったりと眠りに入る
眠ければうるさい環境でも寝れるんだと思いながら、意識を手放した