第24章 頼って
そういえば保健室の先生は今日不在だと朝のHRで言っていたと考えていると椅子に下ろされる
「お前の体調管理だかの目で分からないのか?」
『残念ながら自分には使えないみたいなんだよね』
「そうか」
ぽけーっとしながら湿布を貼ってくれる緑間の様子を見る
また何かに押し潰されそうで、なんか今日はダメだなぁと考えた
極力表情に出さないよう頑張っているが、無理そうだ
「苗字、なぜ泣いているのだよ」
『泣いてない』
「我慢はよくないのだよ」
『っ、みどり、ま』
「何があった」
『階段から落ちた』
「お前は確かにボケているがそこまでとは思えないが」
『…ボケって』
「頬も怪我をしているだよ」
頬を消毒され絆創膏を貼られる。よく分からない感情に押し潰されて、涙がボロボロと落ちてくる
「今話さなくても良いから、後で赤司にでも話すと良いのだよ」
『…それは、やだ』
「なぜだ」
『迷惑になるし…これはあたしの問題だから』
「ならオレに話せ」
『…緑間に?』
「その話にオレは関係しているのか?」
『…少し』
「ならオレに話すのだよ」
『う、ん』
泣きじゃくりながら説明をすると、緑間は話を聞いてくれる
あたしが話すことに何も言わず相槌だけ打ち、終わるとレンズの向こう側の緑色の瞳と目があった
「苗字は悪くないのだよ」
『でも「それは赤司にも話せ。迷惑なんかじゃない、むしろ頼るのだよ」』
『…十分頼ってる』
「どこかだ。もっと頼って良いのだよ」
『ひゅー、緑間かっこいい』
「こんな時までふざけるな。良いから泣いておけ」
泣いている理由が先ほどの出来事のせいなのか、別の理由かなんてわかっている。だが先ほどの出来事ではない不安は彼には伝えなかった
子供のように泣いていると、気が付けばあたしは意識を失っていた