第24章 頼って
落ちた衝撃をうけて薄目を開けると見慣れた帝光中の廊下が見えて内心ホッとする
しかし安心も束の間、体が痛くて起き上がれない
突き落とした張本人たちも証拠隠滅のためか、さっさと去ってしまった
『…はぁ』
こんなど真ん中にいるのも邪魔だろうと、ほふく前進で進みようやくたどり着いた壁に寄りかかる
気を抜いたら不安な気持ちに押し潰されそうで、関係ないことをひたすら考えていると足音が聞こえてくる。そして声をかけられた
「苗字か?」
『…緑間』
「何をしているのだよ」
『階段から落ちちゃった。ごめん、そこの資料拾ってもらっていい?』
「…ああ」
散らばる資料を拾った緑間はあたしに渡してくれる。受け取ってお礼を告げる
『緑間何してんの?青峰と同じクラスでしょ、体育じゃないの?』
「今日は見学だからな。教科書を取りに来たのだよ」
『どっか悪いの?』
「いや。今日はおは朝の運勢でみずがめ座との相性が悪くてな
突き指をしたら困るから見学にしているだけだ」
『…なんとわがままな』
そういえば彼は秀徳でもわがままを3つ許されていたことを思い出す
資料を拾い終わった彼は立ち去らず、目の前で佇んでいる
『…早く取り行ったら?』
「怪我人を放っておくわけにはいかないのだよ」
『…別に大丈夫だよ』
「立てるか?」
『立てる立てる』
「…嘘をつくな、バカめ」
『は、はぁ!?』
そう呟いた緑間はあたしのことを横抱きして歩き出す。急に動き出すので資料を落とさないよう握りしめる
しばらくすると誰もいない保健室に辿り着いた