第23章 赤色と多忙な日
予鈴がなったので体育館から出るなりテツヤは相変わらず悩んでいるし、征十郎はどこか遠くを見ている
テツヤがをちらりと征十郎を盗み見ているのを彼はすぐ気づいた
「どうかしたか?」
「……なんでわかったんですか?」
「顔に書いてあるかな」
「…」
「安心していい。普通の人は気づかないレベルだ
オレが気づいたののは、黒子の言葉が呼び水になったからだよ」
「それだけで、わかるものですか?」
「わかるときはね……青峰はまっすぐな奴だ
変にタイミングを考えず、面と向かって率直に言えばいいんじゃないかな。そうだろう?名前」
『あ、ああ。アホ峰だからね。まっすぐ過ぎて、むしろ心配になるくらいだからさ』
「そうなんですが……いろいろお礼がたまってしまって、もはや言葉だけじゃ足りないというか……」
テツヤの言葉に征十郎は腕を組み、顎に手を添えて考える素振りをする
そこで先ほどの時間にあった会議のことを思い出したのか話を始めた
「なるほど……だったら帝光祭でクイズ研のスタンプラリーに参加したらどうだ?
今年の賞品なら青峰も喜ぶんじゃないかな」
「スタンプラリー、ですか……?」
『今年の賞品はね、レブロン・ジェームズモデルのバッシュなんだよ。そのバッシュ、欲しがってなかったっけ?』
「…なるほど、考えておきます」
しばらくするとテツヤの教室にたどり着いたため、テツヤは征十郎に頭を下げて教室へと入って行った
「……さて、どうするのかな」
『それはどれを指しているのかは分からないけど…あたしは決まってるよ』
また、これからの道の修正をしようと決心し直し、征十郎と別の方向へと歩き出した