第23章 赤色と多忙な日
「赤司君の言う通りです。黄瀬君の態度はボクが少し戸惑うぐらい変わりました」
「そうか。それを確認しておきたかったんだ」
「胸のつかえが取れました」
「あんだけ校内歩き回って、結局それだけかよ……」
「オレもまさかわざわざ聞きにくるとは思わなかったよ」
「すみません。気になってしまって……」
テツヤは頬をかいて、その言葉を聞いた征十郎はあたしが持っていたブレザーを取り袖を通し始める
それと同時に午後の授業の予鈴が鳴り始めた
「やべっ!次、体育だ!テツ、赤司、苗字、また放課後な!」
「あ……」
テツヤは何か言いたそうにしていたが、足の速い青峰は颯爽と体育館から出ていってしまった
サンドイッチを食べ終えたあたしはゴミを小さくまとめ、立ち上がり彼らのところへ歩く
「青峰になにか伝え忘れか?」
「お礼を言いたかったのですが、間に合いませんでした……いつも言いそびれるんです」
「いつも、か」
征十郎はふわりと微笑み、テツヤはそれに気づいたのかじっと征十郎を見つめて口を開いた
「なんですか?」
「青峰とは距離が近すぎて、改まってお礼が言えないんだろう?」
征十郎の言葉にテツヤは再び息を呑む。図星だったのだろうと、あたしも小さく微笑んだ