第29章 恐怖のドリンク
「うーっす」『こんにちはー』
「虹村に#NAME2#、すげぇ待ってた!」
『「…は?」』
あたしと虹村先輩の間抜けな返事に少し笑いが起きて、征十郎は少し困った顔をしながら説明を始めた
「先ほどの休憩時間に急に何人も倒れてしまってね
理由が分からないから、とりあえず主将には報告として、#NAME1#には容態を見てほしくて呼んだんだよ」
『ん、分かった』
理由が分かったため、目を集中させて倒れている人達の容態を確認する
だが
『…分かんない』
「はぁ!?」「えー」「え」
見えない。と言うよりも目に入らないのだ
あ、でもテツヤが倒れてる理由は体力がないからだけど
むしろ能力的なのは普通に見えてるし、先輩を含む人達が体力が足らないとは思えない
じっと見るが特に目に入るのは体全体や口で、かなりダメージを負ってるように見える
「#NAME1#でも分からないとは…バスケ部で何か病気でも流行っているのかい?」
『いやそれなら気づくはずなんだけど…』
「ったく、どうしろってんだよ」
適当にドリンクを取り飲もうとする青峰
…飲もうとしてる?
あと、口や体全体…もしかして!
自分の中で仮説を立てて、先ほど虹村先輩に奢ってもらったスポーツドリンクを握っている手に力を入れる
『青峰!それを飲むな!』
そう言って叫びながらスポーツドリンクを投げた結果、青峰の頭にクリーンヒットした
あ、やばい
後で文句言われるかも
「#NAME1#、もしかして…」
『うん。そうだよ』
征十郎と目線を合わせて頷く
おそらく彼も、倒れた理由が分かったのだろう