第28章 虹色の救出
「で、お前と橙崎先生の関係は何なんだ?」
『…へ?』
「橙崎と#NAME2#って、苗字ちげーだろ
しかも話し方が他人行儀だし」
・・・痛いとこ付いてくるな
でも、話すって約束しちゃったしなぁ…
(苗字が橙崎の方ごめんなさい)
『…そう、ですね』
「話してくれるんだろ?」
『かなり深い話しですよ?』
「構わねえよ」
虹村先輩の言葉を合図に、すぅっと息を吸って吐く
…ん、大丈夫かな
『あたし小学生の頃虐待されて家出したらしいんですよ
記憶には無いんですけど』
「…は?」
『まあ傷跡とかはほとんどなくて…問題ないんですけど
それで、引き取ってくれたのが橙崎家だったんですよ
苗字は変えたくないって頼んで、その結果が今です』
「・・・そうか」
かなり簡単にまとめたよね
いや重要なトリップの部分は省いてるし…まあ良いか
再び虹村先輩の方に顔を向けると、ポカーンとした顔をしていた
…その顔好きなの?
「お前、意外と辛い体験してね?」
『虐待されてた時の記憶はないんで、そこまで辛くはないですよ』
ま、昔は体にある傷は見てて嫌したけど。と呟くと虹村先輩どこか苦虫を噛んだかのような顔をして、質問を続けた
「じゃあお前って本当の親の顔とか、分かんねぇの?」
『…そう考えて良いと思いますよ』
「…マジか」
『覚えてても、酷だと思いますよ』
虹村先輩から奢ってもらったスポーツドリンクを1口飲む
…前世での、本来での親を覚えてるから良いんだよ
例え戻っていなかったとしても