第22章 黄色の入部
涼太が1軍に入ってきてから数日経った練習終わり、帰ろうとする灰崎の前に涼太が立ちはだかった
「あ"あ"?今、なんつったリョータァ…?」
「だからー、スタメンの座を賭けて勝負してくれ、っつったんスよ」
「ついこないだ入った奴が寝ぼけてんじゃねーよ
そもそも練習中だってオレに勝てねーのに、どーゆーつもりだ?」
「だから今勝つつもりってことスよ
他の4人ならまだしも…ショウゴ君くらいならそろそろいけるっしょ」
「はっ、ナメられたもんだぜオレ、練習なんてテキトーに流してるに決まってんだろ
いいぜ…じゃあ、ちょっと本気で相手してやるよ」
そう言いながら灰崎は親指をペロッと舐める
あーその舐めた手でバスケットボールに触れないでくれーと思いながら、結果が分かっているあたしは体育館の壁際に立つ
「いいのか?赤司」
「許す。やらせてみよう」
そのまま見守ったがまあ結果は知っている通り
ただ本人にとっては予想外の結果だったのか、涼太は膝をついている。こちらから彼の表情は見えなかった
「あーらら」
「まあさすがに…まだ早すぎたな」
「成長速度は確かに驚異的だが…」
『でもねー今回勝ったからと言って、灰崎が気を抜いていれば…負けるよ。でしょ?征十郎』
「そうだね」
相当ショックだったのか、まだ膝をついている涼太に近付こうとしたとき、外から声が聞こえた