第22章 黄色の入部
涼太がバスケ部に入り、ようやく過ごしやすい気候になってきた
そんなある日、征十郎達にお昼を誘われて食堂に来ているのだが、食券の販売機の前で悩んでいる
「苗字早くしろよ、後ろ混んできてんだけど」
『たまにはレディーファーストしてよ』
「どこに女がいんだよ」
『…このっ…じゃあ普通に定食するわ』
「オレ大盛りにする~」
『あれ大盛りごときじゃないから』
お昼に食べる日替わり定食を貰い、6人分空いている席を探す
出入口に近い所が空いていたため紫原とそこに座り待っていると向かいに征十郎、隣にテツヤが座った
青峰がテツヤの正面に座ると食べ始める前に声をかける
「青峰君、女性を男性として扱うのは良くないと思いますよ」
「その話遅くね!?」
『やだ、テツヤの男前に惚れそう…』
「そもそも苗字はスカートを履いている時点で男ではないのだよ」
「緑間君…そういう問題じゃないですよ。男性でもスカート履く人は履きます」
『う、うーん?』
個性が強すぎる彼らに全く何なんだと考えていると、テツヤの後ろからミートボールに手が伸びてきた
「もーらいっミートボール」
「ハラ減ってなら大盛りにしとくかおかわりいけよ毎回人のもんとってんじゃねーよ…」
「ボクは別にかまいませんが」
「灰崎!」
「いーじゃねーか別にィ、お前もよく人のもん食うじゃん」
この流れは知っていると箸を止める
そんな灰崎は口を開けながら物を噛むわけで、音をたてながら食べていた
「音をたてて食べるなよ品がないぞ」
「あ?」
「あとハシの持ち方早く直すのだよ紫原」
灰崎の食べ方と紫原の箸の持ち方を指導する緑間に本当にお母さんみたいだと感想を抱いていると、正面に座っている征十郎は呆れたように息を吐いた