第22章 黄色の入部
休日の練習日、なぜだか練習試合が2軍と3軍ともに重なり、帯同マネージャーとして複数人連れて行かれてしまった
そのためさつきには任せられないドリンク作りを行っていると、選手たちの中にクラスでは見慣れているが、バスケ部では見慣れてない姿を見つける
「名前っち!」
『…涼太』
「オレバスケ部入ったんス!えへ、びっくりしたっスかー?」
『あーそうね、びっくりした』
「棒読み!絶対びっくりしてないでしょ!」
『ソンナコトナイヨー』
彼が入ることは元々知っているから今更びっくりすることはない
ただ1軍ではない彼の姿は見ていなかったためなんだか新鮮な気持ちになる
「名前っちオレ絶対すぐ1軍いくから!待ってて!」
『何を』
「ぜってーすぐレギュラーになってみてるっス!」
それも答えは知っている。彼は灰崎の後釜としてすぐにレギュラーはおろかスタメンになること
そして、その間にある一悶着も頭には入っている
『まあ、涼太のセンスならすぐ来れるんじゃない』
「名前っち!好き!」
『はよ練習行け』
ブンブン手を振る涼太に「全く…」といいながらカゴにドリンクを入れて戻る
そういえば彼は1軍にすぐあがるはずなのに今日の練習試合に行かなかったのだろうか
『…ま、あたしが決めたわけじゃないし』
監督かコーチかはたまた征十郎か虹村先輩か、誰が決めたかわからないが100人以上いる部員を全員練習試合に連れていけないのはよくわかる
既に絡みすぎているが、これからもっと彼とも関わることになる
頭が痛くなるような気もするが、楽しみな気もする。そんな思いを胸に1軍の体育館へとドリンクを運んだ