第21章 黄色と紫と一緒
「キセキの世代、本物の天才だよあいつらは」
少し遅れて体育館に到着すると虹村先輩がそんなことを言っていた。この描写は覚えがある
「それとはちょっと違うけど…アイツもそろそろってウワサだぜ?」
「あああれから何度か練習試合で使って実力は完全に証明されたまず間違いねーよ」
練習後、選手はコーチによって集められる
毎度彼の長い話を聞いていると「最後に」と話し始める
「黒子テツヤ次の試合から正式にベンチ入りしてもらう背番号は15
6人目としての働きに期待するあとで桃井か苗字にユニフォームのサイズを伝えておけ」
突然の言葉にテツヤは放心状態で固まっている
そんな彼を虹村先輩がどういう気持ちかは分からないが、横目で盗み見ていた
「やったなテツ!!」
「……」
「…ってあれ?うれしくねーのかよ?」
「いえ…嬉しいんですが正直実感わかなくて…いざもらうとなると…」
「今度は仮ではなく正真正銘のレギュラーだおめでとう」
「ま、いーんじゃないー?別に」
「ああ、良かったな」
それぞれテツヤに感想を述べるキセキ達を見ながら、緑間のツンデレがどうにかならないものか考える
「それともう1つ今までスタメンは現2、3年をローテーションで使ってきたが今後は赤司達、現2年生を中心に使っていく。以上だ。解散!」
後輩にスタメンを取られた先輩達を視界に入れ、会話を聴こう聴覚に全神経を集中させる
「虹村…」
「ああ…わかってたこった。驚きゃしねぇよ
あいつらが入ってきた日から遅かれ早かれこうなることは覚悟してた。その日が今日だっただけの話しさ」
彼らを見ていると、虹村先輩と目が合う
彼の瞳が本当に良いのかと問いかけてきている気がした。恐らくまだ父親のこと心配してるのだろうと推測する
無言で微笑み、肯定の意味を込めゆっくり頷いた