第27章 赤色への期待とそのおもさ
「橙崎の娘がなぜここに?」
『、お久し振りです征十郎のお父さん
本日は部活の副主将でもある彼が風邪を引いてしまったらしくて、代表でお見舞いに来たんです』
「そうか、征十郎がか…」
『お見舞い、行かれたらどうですか?』
「いや、大丈夫だ」
『…そうですか
ではなぜここに?』
「これから会議とかが入ってしまってね
泊まりになりそうだから荷物を取りに来たんだよ」
…征十郎のためではないのか
風邪のときくらいは顔見せてあげても良いのに
思ってることをさすがに言うわけにはいかないため、心の中に留める
『財閥も大変ですね』
「君を引き取ってくれた#NAME5#の所もそうだろう?」
『うちは両親共々忙しいですから』
「そう言えば君は、征十郎と入学テストで同じ点数を取ったらしいじゃないか」
…また面倒なネタを出してきたな
別にあの時は小学生の簡単な問題だっからだよ
とりあえず、愛想笑いを浮かべながら征十郎のお父さんと会話をする
だけども、ある一言でそれが無駄になってしまったのです
「征十郎も君のように、赤司に相応しいように育てねばな」