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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第21章 黄色と紫と一緒





「名前ちーん、部活行こ~」

『あー、はいはい』


あたしと同じクラスになった紫原は、放課後一緒に部活へ行くのが日課となった

周りからは大きい弟と小さい姉みたいだと言われたが、あながち間違いではないと思っているので否定していない

しかしもう弟はいらないんだがと考えながら歩いていると、紫原が小さく「あ」と声を出す


「崎ちんだ~」

『え、どこ』

「外、帰ろうとしてる」

『紫原、先に体育館行ってて』

「ん~…、分かった」


返事をした紫原とわかれて昇降口へと急ぐ、そして女の子と歩いている灰崎に飛び蹴りをする

スカートなのに大丈夫かという声がありそうだが問題ないよう対策済みなので安心してほしい


「ぐっへ!」

「ちょっと灰崎君に、何すんの!」

『飛び蹴りですけど』

「苗字、てめぇ…」

『ショーゴ君』


背中を擦る灰崎に向かってにっこり笑いかける


『浮気は、許さないよ?』

「「はぁ!?」」

『てことで行きましょショーゴ君』

「おい!苗字!」

『黙ってついてきなよ』


隣にいた灰崎の遊び相手らしき人物がどう思ったのか知らないが真っ赤な顔をしてどこかへ行ってしまう。

別に罪悪感はあったりしなくもないが、彼だって出来るのであれば帝光バスケ部に残ってほしい


「何で邪魔したんだよ」

『そりゃ決まってんじゃん部活に出させるためだよ。最近灰崎の暴力が目立ってきてるし、部活サボれば退部かもなーって思って』

「勝手にそんなことすんじゃねーよ!」

『暴力沙汰を起こすなら、あたしを殴れば?』

「…は?」

『むしゃくしゃしてるだけじゃないの?」


彼がただのサボりたがりなのかそうじゃないのかなんて詳しく書かれていなかったから知らない

ただ、ちゃんと向き合っていれば彼も変わっていたんじゃないかと考えた。もう、遅い気もするが


『じゃあ部活行くから、ちゃんと来なよ』


拍子抜けしている灰崎を残して1軍用体育館へと向かう。正直なことを言うと灰崎はどうやったら1軍に残せるかが分からない

征十郎の中ではもう決まっているのかもしれない。ただその指示に従うか決めるのは結局灰崎自身だ

マネージャーはきっと、何もできはしない





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