第20章 黄色と緑色の遭遇
「…ショートパンツがいいかな、スカートでも似合うと思うんスけど」
『え、待ってそこまで選ぶの?』
「試着して来て欲しいっス!」
『話し噛み合ってないんだけど』
「気にしないで、ほら!」
『わ、分かった』
涼太に持たされた服を手に試着室へと入り彼が選んだ服を確認するとピンクや水色のパステルカラーが多く、どこの妖精が着る服だとツッコミを入れたくなった
『りょ、涼太』
「何スかー?」
『着替え終わった』
「じゃあ見せて欲しいっス」
『…やめた方がいいと思うけどなあ』
「じゃあ仕方ないっスね」
『ぎゃっ』
試着室の簡易カーテンをシャッと開けられ、完全に着替えてたから良いものの、完全じゃなかったらどうしてたのかが気になった
着慣れない服に、試着室の簡易カーテンで服を隠す
『み、見るな』
「隠しちゃダメっスよ」
『あーやめてって、もう』
今度はあたしの手首を掴まれ、カーテンが手から外れる
頭のてっぺんからつま先までをじーっと見る涼太の視線を感じながら、こういうのはもう少し背の低いこの方が似合うんじゃないかなんて考えていた
「…名前っち」
『はい』
「それ買うんで、オレとデートして欲しいっス」
『それは悪いからいい「すいませーん、これ下さーい!あ、そのまま着ていくんで!」』
彼の言葉に驚いて目を丸くしていると、店員さんが素早くやってきて服についていたタグを切ってレジへ行く
「お礼は名前っちとデートでいいっス!」
『…はあ』
「似合ってるっスよー!モデルのオレが言うんだから間違いないっス!」
『…ドウモデス』
「棒読み!?」