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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第19章 お返しくれる?





部活終わり、いつも通り征十郎が帰るタイミングで一緒に体育館を出る

着替えた後、男子更衣室の前で彼を待っていると扉が開いて白いマフラーを巻いた征十郎が出てきた

その手には朝カバンに入っていたお菓子が1つ握られており、反対の手で右手首を掴まれそのまま手のひらにお菓子を置かれる


「はい。お返しだ」

『…あれ、もらってなかったけ』

「渡してないね」

『えーもらったつもりだったよ。ありがとう』


笑いながら受け取るが、あった数は全部捌けたんだろうかと必要もない彼のカバンの中身の心配をした

カバンの中にお菓子を仕舞い、今日1日でたくさんもらったなとしみじみしていると隣に並ぶ征十郎が問いかけてくる


「朝、虹村さんと何話していたんだい」

『これと言った話はしてないけどな』

「オレが弟みたいなものって話は聞いてたんだが」

『聞いてたんかい』


その時どんな会話していたか思い出すが、変なことは言っていなかったはずだ

弟の会話の前に虹村先輩から「征十郎を好きか」と聞かれていたがそこは聞いてなかったのか、別に聞かれて困る話はしていないのに安堵の溜め息を吐く


「オレがお兄ちゃんじゃないのか」

『えー征十郎は弟だよ。しっかりしてる弟』

「名前は?」

『頼りない姉?』


幼馴染と言っていい年齢で出会ったわけではないが、彼は雪さんも可愛がっているので兄弟みたいなものだと思う

従兄弟とかでもいいのかもしれないが、それだとまた違うんだよなと腕を組んだ

しかしこんな真剣に悩む必要のないことだと我に返り、考えることをやめる


「オレは名前のこと、頼りにしてるけどね」

『あたしも征十郎のこと頼りにしてるよ。次から朝練ない日の前日教えてね』

「本当にお姉ちゃんなのかい?」

『頼りない姉って言ってんでしょ。妹って柄じゃあないと思うんだよね』

「…そうだね、言われてみればそうだ」


彼が認めてくれたので兄弟ごっこは公式になったらしい。使う機会はないだろうけど頭の端っこにでも留めとこうと話題を変える




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