第19章 お返しくれる?
なんだか合間に色々あったがホワイトデーがやってくる
本当に小学生に比べて1ヶ月が早い気がすると欠伸をしながら家を出て朝練のため部活に向かい、更衣室に向かっていると、後ろから自分より早い足音が聞こえてくる
同じ朝練の人だろうかと特に気にせず歩いていると、後ろから肩を叩かれた
「おう、早いな苗字」
『虹村先輩、おはようございます』
「なんでこんな早くいるんだ?今日朝練ねえだろ」
『え?』
「…先週変更も言ったし昨日も終わる前言ってるからな」
『聞いてないです…その時間雑用任されてませんでしたっけ』
「…そうだったかもなあ」
『虹村先輩のせいじゃないですか!』
そっぽを向く彼にも非はあるが、一番悪いのは変更された予定を把握していなかったあたしに違いない
時間を確認するがまだHRまで1時間以上ある。家に帰ってまた学校に戻ってくることも出来るが体力使うし面倒だ
『まあ今から家帰ろうとは思えないですけど』
「悪かったな」
『いえ、ちゃんと聞いてなかった自分も悪いんで』
「…そーだな」
『虹村先輩は?朝練ないのに早くないですか?』
「ただの自主練だ」
『へー?』
「最近アイツらがすげえからな、主将としてもちゃんとしねえと」
彼は他人にも自分にも甘くはない。流石だなと更衣室に行った彼を見送り、体育館の鍵を借りに行く
受け取った鍵を指で回しながら体育館に戻ると着替えた虹村先輩が待っているたので、駆け寄り一緒に室内に入ると小さな箱が差し出された
「ちょうどよかったわ、ほら」
『なんですか、これ』
「バレンタインのお返し以外何があんだ」
『え、ええ?』
受け取ると上が透明で中身を確認が見える。有名なキャラメルが入っている
まさかお礼をもらえると思ってなかったので、バレンタインの時パワハラなんか思って申し訳なかったと心の中で謝っておいた