第22章 事故です事故
あのあとは最終的に征十郎の一言により解散
約束通り征十郎と帰っている
『うー、今度手袋買おっかなー
でも春もそう遠くないしー
ポケットに手、突っ込もうかなー』
「それは転んだときにとっさに反応出来ないからやめた方が良い」
『んーそうする』
両手を口元に持ってきてはぁー。と息を吐く
他にも叩くと暖まるとかいうけどあれかなり痛いよ
『征十郎は?
手、冷たくないの?』
「確認してみるかい?」
あたしに右手をさしだす征十郎、その手に触れるとヒヤッとした感覚がした
『冷たいね』
「#NAME1#のも十分冷えているようだが、俺の手の方が冷たいみたいだね」
『そうだ
手が冷たいと心が暖かいと言うよね?』
「それはその人の体温によるんじゃないかい?」
『あ』
確かにそうだな
その人の手の温度が低くても、触る人の手の方が冷たかったらドンマイな展開になるな
あ、これあたしも心は冷たい部類に入るな
視線を征十郎から前に戻すと、家が見えてきたため、繋いでいる手をほどく
『じゃ征十郎ありがと
また明日ね』
で、あたしは征十郎に家まで送ってもらってバイバイの筈なんだけど
なぜか征十郎はあたしの腕を掴み、足を止めさせたのだ
「#NAME1#」
『え、どうした征十郎』
「上書きさせてもらうよ」
そう言って征十郎はあたしの口に唇を重ねた
すぐに唇は離れたが、頭の中は虹村先輩の時と同じ位にパニックになっている
『・・・へ、征十郎どうしっん!?』
「ファーストキスの代わりにセカンドキスとサードキスは貰って行くよ
じゃあ、また明日」
『・・・…』
これはちょっと、想定外でした