第18章 虹色の救出を
『うおっ』
「グヘッ」
見事に青峰の上にダイブと言うか着地と言うのか分からないが、前のめりに倒れてしまった
「苗字…てめぇ…」
『ごめん、すぐ退く』
「重いから早く退け」
『知ってるけど…なんかムカつく』
「あ?」
『虹村先輩直伝の絞め技かけるね』
言葉の最後に星を付けた感覚で青峰に絞め技を掛ける。もちろん笑顔を意識してだ
「いいいいい痛ぇ!」
『青峰ー、デリカシー無いにも程があるよねー』
「ちょ、ギギギギギブ」
『滅びよ』
天空の城で有名な呪文をと青峰に向かって呟くと、どこか不満そうに顔を歪めてこちらを向いた
青峰の背中に乗っていた状態から反対の青峰があたしの上に乗っているという状態になった
「ケーセー逆転、つーの?」
『…に、』
「に?」
『ににに虹村先輩助けて!青峰に襲われる!』
「はぁ!?」
『それか紫原、助けて』
「んー、分かったー」
練習再開をしたが復帰するのがまばらなためいつもより雰囲気は緩い。そんな中青峰に蹴りを入れる虹村先輩と、青峰の下敷きになっているあたし引っ張り出す紫原
助けてもらい大きく息を吐き、乱れている心拍を整えられるようにと胸元に手を当てる
「名前ちん、だいじょーぶ?」
『だ、大丈夫じゃないなのでとりあえずドリンク作ってくる』
「えー、まだ部活やんのー?」
「やるに決まってるだろ」
「こんな倒れてるのに?」
そのうち起きるとは言ってもとんでもないダメージを負った彼らはびくともしない。そして視界の端には絞められて倒れてる青峰がいる
…こんな奴が来月から先輩で良いのかと思ったのは怒られるから内緒にしておき、今までの中で1番緩い雰囲気のまま練習を終えた
後日、さつきにドリンク作りは頼まないようにと指示が出たのは言うまでもない