第18章 虹色の救出を
「名前、もしや…」
『うん。多分そうだと思う』
征十郎と目線を合わせ頷く。おそらく彼も皆が倒れた原因が分かったのだろう
むしろ頭も察しも良い彼が分からなかったことが不思議だ
「ってーな苗字!てめぇ何するんだよ!」
「名前さん…?来たんですか」
『やっほーテツヤはあのドリンク飲んでない?』
「おい!オレのことは無視か!?」
「倒れて寝てたので、飲んでません」
『だって征十郎』
「やはりか…」
「理由は分かったのか?」
あたしと征十郎の反応に理由が分かったと理解した虹村先輩が問いかけてくる
『紫原、今日ドリンク作ったの誰だったか、覚えてる?』
「えーっと…あれ、みどちーん誰だっけ」
「オレは自主練してたからしらないのだよ青峰、お前は知っているはずなのだよ」
「あ?知らねーよテツは?」
「確か…桃井さんだと…」
『だってさ征十郎』
「やはりそうか」
今ので憶測が確信へと変わった。もちろん虹村先輩はさつきの作ったドリンクと聞いて少し顔を青ざめさせている
そのことから急に倒れたから何事かと心配していた人達もホッと一安心したようで、安堵の溜め息を吐いていた
『ちょっと待ってて』
さつきが作ったと言うドリンクを人差し指につけ、ペロリと舐める
舐めただけにも関わず体が言うことを聞かず転倒する。口の中がぞわぞわして口に含んだことを後悔しだが、舐めただけだったためそこまでの威力ではない
『…宇宙の果てが見えた気がする』
「名前、何を言っているんだい?」
「舐めただけでその威力は…危険です」
『虹村先輩、練習再開させて大丈夫ですよみんなそのうち起きますから』
「…分かった。再開するぞー」
手をつき、起き上がろうとすると、まさかの手をつくどころかの空振りをしてしまい前へと倒れ始めた