第18章 虹色の救出を
「うっす」
『お疲れ様です』
「虹村に苗字、すげぇ待ってた!」
『「…は?」』
あたしと虹村先輩の間抜けな返事に笑いが起きるが、征十郎は少し困った顔をしながら説明を始める
「先ほどの休憩時間、急に何人も倒れてしまってね
理由が分からないから、とりあえず主将には報告として、名前には容態を見てほしくて呼んだんだよ」
『ん、分かった』
どういった理由で呼ばれたか分かったため、目を集中させて倒れている人達の容態を確認する
『…分かんない』
「はぁ!?」
見えないと言うよりも目に入らない。テツヤが倒れてる理由は体力がないからだと、体力値が0になっているので分かるけれども
むしろ能力的なのは普通に見えてるし、先輩を含む人達が体力が足らないとは思えない
もっと集中して見るが特に目に入るのは体全体や口で、かなりダメージを負ってるように見える
「名前でも分からないとは…バスケ部で何か病気でも流行っているのかな」
『いやそれなら気づくはずなんだけど…』
「ったく、どうしろってんだよ」
そう言いながら適当にドリンクを取り飲もうとする青峰を見て自分の中で仮説を立てた。いるじゃないかウチには料理で人を倒すことが出来る人物が
先ほど虹村先輩に奢ってもらったスポーツドリンクを握っている手に力を入れる
『青峰!それを飲むな!』
叫びながらスポーツドリンクを投げた結果、青峰の後頭部にクリーンヒットする
たんこぶが出来た暁にはお詫びにしっかり冷やしてあげようと思う