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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第18章 虹色の救出を





『…まあ、小学生の頃虐待されて家出したらしいんですよ。記憶には無いんですけど』

「…は?」

『傷跡とかはほとんどなくて問題ないんですけど
それで、引き取ってくれたのが橙崎家で、苗字は変えたくないって頼んでその結果が今です』

「…そうか」


簡単にまとめた内容。それ以外に自分自身も分からないんだから説明のしようがない

反応がないなと再び虹村先輩の方に顔を向けるとポカーンとした顔をしている


「お前、意外と辛い体験してねぇか」

『虐待されてた時の記憶はないんで、全然』

「じゃあお前って本当の親の顔とか、分かんねぇの?」

『…そう考えて良いと思いますよ』

「…マジか」

『覚えてても、酷だと思いますし』


昔は体にある傷は見てて嫌な気分にはなったが若いからかこの世界に来た特典なのか、今はほとんど綺麗になっているし、本来の世界での親の顔を覚えてるから良いんだ。例え戻っていなかったとしても

スポーツドリンクのキャップを開けて、一口飲む


「てか普段と性格違くね?」

『まさか、変わんないですよ』

「なんつーか大人びてるっつーの?」

『じゅーーぶん子供ですけど?』


溜め息を吐いて腕を目一杯前に向かって伸ばす。段々と温かくなってきたからか眠気を感じる

来月からついに先輩になり2度目の中学2年生になるが、まだまだ末っ子1年生の気分は抜けない


『虹村先輩』

「なんだよ」

『夏まで主将、続けてくれますか?』

「…親父が元気なら、続けてやるよ」

『ありがとうございます』

「オレこそ、あ、ありがとな」


そう告げる彼は来るときの少し重い表情とは違い爽やかに笑っている

つられて笑っていると、マナーモードにしていて気が付かなかったが着信とメールが数件来ている

キセキからのメールが多く、その内容は後からでも部活に来れないかが多いい


『このあと帝光中って行けますか?』

「ていうか今からなら普通に部活にも行けそうなくらい余裕だな」

『じゃ、行きましょ』

「ああ」


そうして公園を後にし、再びバスに乗り帝光中へと戻った






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