第18章 虹色の救出を
「で、どうだったんだ」
『先輩のお父さんは今の調子なら冬まで、軽々先輩の卒業まで行けますよ』
「本当か?」
対ジャバウォック戦、最後に虹村先輩がお父さんのお見舞いに来ているシーンがあったことを思い出す
あれがアメリカの医療技術のおかげだったのかもしれないが、卒業までは大丈夫だったことは間違いない
自分の能力でないそれをわざわざ口にするつもりはなく、黙って頷いた
「マジか…良かった…」
『この間、征十郎にも話したんですよ』
「…赤司にか?」
『その小さい背中に色々と背負い過ぎだから、肩の力抜いてみなよって』
「…」
『確かに資質としては征十郎の方が上かもしれないですけど、まだ1年程しかやっていない後輩に主将を任せるって言うのは荷が重いと思いますよ』
「そうか…そうだよな」
『虹村先輩も色々背負い過ぎだと思ってますけどね
主将だからって、気を張らなくても良いんですよ』
あたしが虹村先輩のほうを見て笑いかけると先輩はヘラッと笑い返してくれて、こちらも肩の力を抜いてくれたようで安心する
「で、お前と橙崎先生の関係は何なんだ?」
『…へ?』
「橙崎と苗字って苗字ちげーだろ、しかも話し方が他人行儀だし」
『…そう、ですね』
「話してくれるんだろ?」
『ちょっと、重い話ですよ?』
「構わねえよ」
まあ彼がいいと言うならいいかと、虹村先輩からもらったペットボトルに視線を落とした