第18章 虹色の救出を
しばらく虹村先輩のお父さんと雑談をしていると、後ろからドアの開く音がして、後ろを向く
「名前ちゃん!どうしてここにいるの?」
『お母さん、お邪魔しています』
「お、お母さん!?」
「ほお…」
「え、何々この男の子!もしかして名前ちゃんの彼『部活の先輩です』」
「苗字のお袋さん?」
『あー、ああ、はい』
「虹村さんの息子さん!?征十郎くんに劣らずのイケメンね、名前ちゃん」
『比較的女子から人気はありますよ』
「そうなのか?修造」
「ばっ、苗字!」
雪さんは空いている椅子に座り会話に参加し会話をリードしていく
「虹村さんの息子さんと私の娘が同じ部活とは知らなかった」
『あれ、話してませんでしたか?』
「いつも主将がって説明してるじゃない?」
「私も橙崎先生と修造の言う後輩が親子だとは知らなかった」
親同士が盛り上がるこの状況に気まずいと思う。恐らく虹村先輩も同じことを思っているだろうと目配せをする
『あ、それでお母さん、仕事は良いんですか?』
「あ、そうそう名前ちゃん探しがてらに虹村さん呼びに来たの」
『仕事サボりだけはやめてください』
「名前ちゃんは真面目ねー」
「じゃあ橙崎先生、行きましょうか」
「はーいじゃあね虹村くん、#NAMEちゃんも気を付けて」
「あ、ありがとうございました」
「じゃあな、修造に橙崎先生の娘さん」
『無理はしないで下さいね』
虹村先輩に微妙な空気を残して、雪さんと先輩のお父さんは出ていってしまう
いつまでも病室に残っているわけにはいかないと、あたしと虹村先輩は病室を出て近くの公園のベンチに座る
虹村先輩が奢ってくれたスポーツドリンクを奢ってくれたので、乾いた喉を潤すため飲み込んだ