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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第18章 虹色の救出を





「お、お前さっきのマジか?」

『マジです』

「でも、苗字が違くね?」

『…それは帰り話します。
今は先輩のお父さんに会わせてもらえますか?病室分からないんで』

「あ、ああ」


目的地のエレベーター乗り虹村先輩にナビを任せる。あたしの前をスタスタと歩く虹村先輩は目立っていた

帝光バスケ部の主将だからかと思ったが、どうやら違う理由らしい。でも彼にその理由を教える気はない


『先輩だいぶ目立ってますね』

「いやお前の方が目立ってんだろ」

『えー…虹村先輩が帝光中の主将で有名だからですよ』

「でもお前はそれを辞めようとしてること知ってんだろ?」

『そうですけど?』

「…誰かに言ったりしてねーだろうな」

『まさか』


後ろから見える虹村先輩の表情は部活中とは違う

やはり家族の前ではみんな表情が違うんだろうかと考えたが、自分もそうだろうと思いそれについては聞かないことにする


「ここだ」

『ありがとうございます。先にどうぞ』


ドアをノックして引き戸を開ける彼の頭の横にあるネームプレートには虹村と書かれているのが目に入り、少し胸元がキュッとする


「親父」

「今日はずいぶんと早いんだな」

「ああ。紹介したい奴がいて」

「…後ろに居る女の子かな?」

『初めまして、帝光中バスケ部マネージャーの苗字 名前です。虹村先輩にはお世話になっております』

「君が例の…修造から手の掛かる子だと聞いているよ」

『まったくその通りですね』


虹村先輩はあたしのことなんて紹介してんだと睨むが彼はそっぽを向く

そりゃあ自分の親に後輩を紹介することなんてない。ただ手がかかることをそのまま話をするかと聞きたいところはあるが、この場では追及しないことにした


「彼女か?」

「違うって」

『すみません期待に沿えず』

「なんだ、どうして連れて来たんだ脩造」

「それは『虹村先輩が内緒で出かけようとするのが気になってついてきちゃいました』


全然状況と違う内容に今度は虹村先輩がこちらを向く。言っておくが、あたしのこの眼で寿命を見る力はない





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