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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第2章 赤いカレ





「…はは、ははははは!」

『ちょ、ちょっとなんでそんな笑ってんの!?大丈夫?!』

「いや…飛び蹴りするなんて予想してなかったよ…それに」

『それに?』

「君のこと、見てると飽きないんだ」

『…変人っていいたいの?』

「そういうことじゃないよ」


こんなに笑っている彼を見るのはこの数週間で本当に初めてだ
そして彼もこんな風に小学生らしく笑うことが出来たのかと驚く


「今まで周りにいなかったタイプだから見てて飽きないんだ」

『…だからそんな最近見てたの?』

「おや、気づいてたのかい?」

『もちろん』

「キャーキャー言わないから気づいてないと思ったんだが」

『喧嘩売ってんの?』

「まさか」


微笑む彼を前にしてふと気づいた。もしかしたら今、彼と腹を割って話してるのかもしれない

彼は、赤司征十郎は、もしかしたらあたしが思ってるイメージとは違うかもしれないと脳内が占めた


『…あの、さ』

「なんだい?」

『あ、たし、赤司くんから名前呼んでいいって言われたけど…それ、社交辞令じゃ、ない?』

「社交辞令だよ」

『やっぱり?』

「でも今オレは、君に名前で呼んでほしい」

『は』

「今度は、社交辞令じゃないよ」


ふわりと笑う彼に見惚れてしまった。綺麗とか、格好いいとかという言葉が本当に似合う

彼とこのまま仲良くなったら平穏な未来が見えない気がしたが、そんな未来も良いと思った


『せい、じゅうろう』

「なんだい」

『…征十郎が呼べって言ったんでしょ?』

「何度でも呼んでいいよ」

『うざくなるくらい呼んでやる』

「そんな日が来るわけないだろう」

『なんだと?』


初めて彼の事を心から名前で呼べた気がする。そう思ってふと笑みを零すと、彼も笑う

サイレンが聞こえてきて帰るのが何時になるのだろうと疑問に思ったが、征十郎がいればなんとかなる気がした






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