第17章 赤色の欠席
そうしてお粥やらりんごやら買って久々に征十郎の家の前に立つ
中学生になってから来るのは初めてかもしれないと思いながら顔パスで家に上げてもらい、征十郎の部屋をノックし入った
「…名前」
『やっほー征十郎、体調はどう?』
「良くはないね」
『体温測った?』
「朝起きて測ってから、測ってないかな」
『今すぐ測ろ、体温計どこ?』
「そこにないかな」
机の上に置いてあった体温計を征十郎へと渡すと彼は起き上がって体温を測り始めた
彼はパジャマ姿でなんだかいつもより幼く見える
「…どうしたんだい?」
『いや、征十郎のパジャマ姿見るの久々だなーっと思って』
「夏に見ただろう」
『うん、まあそうね』
そういえば小学生のころなぜか征十郎の家へと泊まったことがあったこと、夏祭りで雪さんが彼のことを泊めたことを思い出す
幼い彼のパジャマ姿を懐かしむもうとすると、征十郎の顔が真っ赤なことが気になった
『すごく顔赤いけど、大丈夫?』
「別に大丈夫だよ」
征十郎の嘘にジッと目を集中させる。すると頭と体全体に目が行った
『…頭痛と、体に疲労が溜まってるね。ゆっくり休みな』
「名前のその能力はなんなんだい?」
『話逸らさないの!逆にあたしが知りたいわ』
「へぇ…名前でも分からないなんて、興味深いね」
『それって貶してるの?誉めてるの?』
「誉めてるに決まってるじゃないか」
体温計が終わった音がしてそれを取り出した征十郎が見る。いつもより目の焦点が合っていない気がした