第16章 チョコばらまく日
『今食べる?』
「腹減っちゃって!」
『まあ…育ち盛りだもんね』」
「…うまっ!名前ちゃん料理上手なんだな!」
『お菓子作りが料理になるのかわからないけど…ありがとう』
「うわーもう1袋食べてえけど今食うのもなー…」
『…もう1個いる?』
「マジ!?あんの?!」
一気に持ってきたので形の悪いものも混ざっていたのでそれを渡すと和成は気にせず食べ始める
先ほど彼が言ってた通り口の中に入ってしまえば何も変わらない。あたしも妹ちゃんがくれたチョコを1つ食べるチョコの味が口っぱいに広がった
わざわざあたしに渡したいと思って作ってくれたのか、思ったより作りすぎて余ってしまったからくれたのかは分からないが、どちらにしても嬉しいことは間違いない
『うん。美味しい』
「おう、伝えとくわ」
『ありがとうも伝えてといて』
あんまり食べてしまうと夕飯が食べれなくなってしまうので1つだけにし、もう1度封を閉める
「最近どう?」
『特に何も変わりないけど…そうだなあなんかあったかなあ』
「あれは?幻の6人目がいるって噂」
『あー…間違ってないよ。まだ1軍に認められたぐらいだけど』
「交流戦行った小学校同じだったヤツに聞いたけどすごかったって言ってたわ」
『へーそんな話出てるんだ』
確かにあの日の午後の試合のテツヤはすごかった
午前の試合も転んだり鼻血出したりすごかったがと、まだ1ヶ月も経っていない出来事だがなんだか懐かしいと思ってしまう
「はー今年は帝光に勝ちてえな」
『はは、ウチは今強いよー?』
もうすぐバスケ部に彼が入部するだろうと、今日大勢の女の子からチョコをもらっていた彼を思い出す
そしてこれから起こることを思い出して視線を自分の指先に落とした